■■■ 消化性潰瘍治療薬服薬指導 【疾患名】MP 消化性潰瘍(CP Peptic Ulcer) 【有病率】 CP 約5〜10% HI 胃潰瘍:記載なし,十二指腸潰瘍:約10% ## 日本人はこれよりかなり低いと考えられる 【好発層】MP 胃潰瘍:40〜50歳代,十二指腸潰瘍:20〜30歳代 【予後】 HI 再発性    十二指腸潰瘍:60%が1年以内,80〜90%が2年以内    胃潰瘍   :記載なし   手術後の再発    十二指腸潰瘍:3〜10%    胃潰瘍   :  2% CP 50%が一年以内に再発(消化性潰瘍) 【概要と成因】 MP 胃粘膜に影響を及ぼす種々の因子を攻撃因子と防御因子とに分け、両者のバランス の失調により潰瘍が発生する(Shayらの理論).   胃潰瘍の場合は防御因子の低下が、十二指腸潰瘍の場合は攻撃因子の亢進が病態の 中心と考えられる. 【分類と症状】 HI 〈病型分類〉   十二指腸潰瘍:上腹部痛が断然多い   胃潰瘍:上腹部痛      十二指腸潰瘍患者とは対照的に胃潰瘍患者は一般に胃酸分泌率は非潰瘍患者 と比べた場合,正常または低いことすらある. Zollinger-Ellison 症候群(ガストリン産生腫瘍): 潰瘍症状はより激烈で,進行性かつ持続性であり,また通常内科的ならびに 外科的消化性潰瘍治療法に反応しにくい. 【治療薬剤の分類と特徴】 MP  〈薬剤名〉             〈分類と特徴〉   T.攻撃因子対策                      胃酸分泌抑制    @シメチジン(タガメット)    ヒスタミンH2受容体拮抗薬    Aピレンゼピン(ガストロゼピン)  ムスカリン受容体拮抗薬  Bプログルミド(プロミド),セクレチン(セクレパン)                      ガストリン受容体拮抗薬    C乾燥水酸化アルミニウムゲル(アルミゲル) 制酸薬  Dスクラルファート(アルサルミン)  抗ペプシン薬   Eオキセサゼイン(ストロカイン)   粘膜表面局所麻酔薬 ##  Fオメプラゾール(オメプラール,オメプラゾン)                       プロトンポンプ阻害剤   U.防御因子対策                         粘膜抵抗強化    Gアセグルタミドアルミニウム(グルマール)粘膜保護    Hアズレン・グルタミン(マーズレンS)  組織修復促進    Iテプレノン(セルベックス)       粘液増量    Jセトラキサート(ノイエル)       微小循環改善    Kオルノプロスチル(ロノック)      プロスタグランディン    Lセクレチン(セクレパン)        粘液産生分泌促進剤   V.精神・心理対策    Mジアゼパム(セルシン,ホリゾン)    抗不安薬    Nスルピリド(ドグマチール,ミラドール) 抗うつ薬 【禁忌の薬(理由)】 IR @エチルスルホン酸エチルパラニトロフェニル:コリンエステラーゼ作用.   A塩酸シプロヘプタジン:抗コリン作用→胃内容物の排泄遅延→胃酸分泌が増加   Bイブプロフェン:PG生合成阻害作用,胃粘膜への直接作用,糖蛋白の生合成阻 害作用,抗肉芽作用   Cサリチルアミド,アセトアミノフェン,無水カフェイン,プロメタジンメチレン ジサリチレート:胃酸分泌の亢進,胃粘膜に対する直接的障害,出血作用   Dレセルピン:交感神経系の活動を抑制→副交感神経系の活動優位→胃酸分泌増大   E塩化アセチルコリン:消化管運動の促進,胃酸分泌作用   F次硝酸ビスマス:ビスマスが吸収亢進→精神神経障害   Gヒドロコルチゾン:粘膜防御機構を変化   Hスルフィンピラゾン:消化管刺激作用   Iリン酸エストラムスチンナトリウム:局所刺激作用   Jヘパリンナトリウム:抗凝血作用のため   Kワルファリンカリウム:抗凝血効果,抗血栓効果   L塩酸チクロピジン:血小板凝集抑制作用 【合併症と対策】 HI @出血→胃吸引及び制酸剤,H2受容体拮抗薬投与,内視鏡的止血  A腹膜腔への自由穿孔→絶対的手術適応  B内科的治療に反応しない→手術を考慮 ## 潰瘍の活動期の浮腫で狭窄症状が悪化し潰瘍が治癒すれば狭窄症状が低下すること がある.治癒後も狭窄症状があれば手術を行う. 【生活指導】 MP @規則的な生活を送る   A喫煙は避ける   Bステロイド,非ステロイド系抗炎症剤,糖尿病用薬などを服用している場合症状 に注意する. HI 〈十二指腸潰瘍〉   @ある食物を食べたあとに症状があった場合,以後これらは避ける.   A規則正しい食事と制酸剤とを併用する.   Bアルコール,コーヒーの飲用を避けた方がよい.   〈胃潰瘍〉   @サリチル酸製剤を服用しない.   Aアルコール,コーヒーの飲用を避けた方がよい. 【薬物療法以外の特記すべき治療法】 MP @手術 適応 穿孔−外科手術の絶対的適応          出血−薬剤投与や内視鏡的止血が奏効しない場合          狭窄,難治−H2 ブロッカーをはじめとする薬剤の発展に伴い症例 は激減. 【疾病に対する注意すべき臨床検査】 LM @ガストリン Zollinger-Ellison症侯群で上昇   Aセクレチン 十二指腸潰瘍で上昇 【疾病に関する用語】 【メモ】 【参考文献】 ## Doctor's Advice